2019年に参議院常任委員会調査室が発表した「建設業における働き方改革の概要―労働環境改善に向けた主な取組―」によると、2018年度の建設業労働者の就業時間は2036時間と、全産業の平均より年間300時間以上も多い結果でした。

まあ、現場で働く皆さんは十分承知のことと思います。

とは言え、「建設業における働き方改革の概要」によると、長時間労働の是正は若者の就職促進に欠かせない「至上命題」と銘打っています。
建設業の就職・離職状況を確認すると、2019年の新卒の就職者数は39,000人と前年から約1,000人も減少し、さらに高卒者の離職率は45.3%と全産業と比べて6%高いことが明らかになっています。

これでは、国土を形成する建設業界の未来は悲惨な業界になるでしょう。

国土交通省では
「建設業働き方改革加速化プログラム」を策定
~官民一体となって建設業の働き方改革を加速~

https://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo13_hh_000561.html

上記を公表しています。

この中で以下の取り組みを唱えています。

(1)長時間労働の是正に関する取組
[1]週休2日制の導入を後押しする
公共工事における週休2日工事を大幅に拡大するとともに、週休2日の実施に伴う必要経費を的確に計上するため、労務費等の補正の導入、共通仮設費、現場管理費の補正率の見直しを行います。 【別紙P.2参照】
[2]各発注者の特性を踏まえた適正な工期設定を推進する
長時間労働とならない適正な工期設定を推進するため、各発注工事の実情を踏まえて「適正な工期設定等のためのガイドライン」を改訂します。

(2)給与・社会保険に関する取組
[1]技能や経験にふさわしい処遇(給与)を実現する 【別紙P.3参照】
技能者の資格や現場の就業履歴等を業界横断的に登録・蓄積する建設キャリアアップシステムの今秋の稼働と、概ね5年での全ての建設技能者(約330万人)の加入を推進します。
また、技能・経験にふさわしい処遇(給与)が実現するよう、建設技能者の能力評価制度を策定します。
さらに、能力評価制度の検討結果を踏まえ、高い技能・経験を有する建設技能者に対する公共工事での評価や当該技能者を雇用する専門工事企業の施工能力等の見える化を検討します。
[2]社会保険への加入を建設業を営む上でのミニマム・スタンダードにする【P.4参照】
社会保険に未加入の建設企業は、建設業の許可・更新を認めない仕組みを構築します。

(3)生産性向上に関する取組
[1]生産性の向上に取り組む建設企業を後押しする 【別紙P.5参照】
中小の建設企業による積極的なICT活用を促すため、公共工事の積算基準等を改善します。
[2]仕事を効率化する 【別紙P.5参照】
工事書類の作成負担を軽減するため、公共工事における関係する基準類を改定するとともに、IoTや新技術の導入等により、施工品質の向上と省力化を図ります。
[3]限られた人材・資機材の効率的な活用を促進する 【別紙P.4参照】
現場技術者の将来的な減少を見据え、技術者配置要件の合理化を検討します。

上記はまさにその通りと言いたいのですが、では中小の建設業はどうすれば良いのでしょうか?

次回、詳しくご説明します。